前田日明リングス総帥が、ニコニコ生放送『ウルトラマンを熱く語る! スペシャル座談会』に出撃だ!
【出演】
評論家・山田五郎氏(以下文中表記:山田)
アニメ特撮研究家・氷川竜介氏(以下文中表記:氷川)
スペシャルゲスト・前田日明リングス総帥(以下文中表記:前田)
ウルトラマンの名(迷!?)バトルは、暑さとの闘い!
- 女子アナ
- 前田日明さん、皆さん御存知の通り格闘家でいらっしゃいます。
- え、ですから格闘家として観た場合の、作品についてお訊きしたいんですけど。
- 前田
- はい。
- 女子アナ
- 数々の敵を倒してきたウルトラマン。名バトルというのは、格闘家の眼から観てありますか?
- 前田
- いや、あのう、今の眼から観るとですね…。
- 女子アナ
- ええ。
- 前田
- 今の眼から観ると、当時はエアコンも何もない中でね、あの、白熱するじゃないですか、照明が。
- 白熱灯の思い出なんか自分ら(回想)するわけですよ。あのう、プロレスの世界でもですね、あの、旧両国、蔵前国技館だとか、大阪府立(体育館)だとか、冷房がなかったんですよね。
- 山田
- (それは)暑い、暑い!
- 前田
- ほんでテレビ用の白熱(灯)で照らされるとですね、第1試合で(もうすでに)リング上(の気温)が40℃になるんですよ。
- 山田・
氷川・
女子アナ - うわ~!
- 前田
- メインイベンター(の出番)の頃になると、(リング上の気温が)50℃になるんですよ。
- だからあのう、テレビの(収録で)撮るのあるじゃないですか、白熱灯。で、あの(撮影現場の)中で(ウルトラマンの)フルコスチュームを着て(殺陣してたのは凄い)。
- ほんで今さっきあのう、(ゾフィーに扮していたスタッフに)訊いたところ、呼吸できるこの(口の部分の)一筋のなんか細~いラインのぐらいしかなくて。それであんなドタバタ(した怪獣との格闘シーンを)やってたわけでしょう。いやあ、あれは凄いなぁと思うけどねぇ。大したもんですよね、なんかねえ。
- 氷川
- ウルトラマンは、最初のカラー作品なんで、特別(に照明)ライトが多いんですよ。歴代のウルトラ(シリーズ)の中でも1番たぶん多いと思うんですよ。(ウルトラマンや怪獣の着ぐるみに入っている人は)もの凄い暑かったと思うんですよ。
- 前田
- 話変わりますけどね、こんなこと言うと夢がなくなると思うんですけど。
- 女子アナ
- ええ。
- 前田
- 高校(生)の時ね、あのう、北陽高校っつって…。
- 山田
- はい、大阪の(高校ですね)。
- 前田
- 阪急(電鉄)の京都線にある、淡路の駅(近く)にある(高校なんですが)。
- で自分は、(地元の)大正の駅から(JR大阪)環状線に乗って、梅田で乗り換えて、で(阪急電鉄)京都線に乗るんですけど。
- ある時、夏休み直前で学校(に)行きたくなくなって、阪急百貨店(うめだ本店)に1回しけこんだんですよね。
- で、屋上に行ったら、ウルトラマンショーをやってたんですよ。
- 山田
- ほう。
- 女子アナ
- へ~!
- 前田
- 炎天下の中の(ウルトラマンショーだった)。あー、ウルトラマンショーかぁ。ちっちゃい時、一所懸命に観たよなー。あの時(自分は、ウルトラマンを倒した宇宙恐竜)ゼットンの敵(を)討つって言ったなー、と思って観てたら、ウルトラマンが(怪獣との)アクション(の最中)で急にフッと、(いなく)なって、(ステージの)後ろに走ってったんですよ、怪獣ほったらかして。
- んー、なんかなーって(ウルトラマンの後を)ついて行ったら…。
- [ウルトラマンが後頭部のファスナーを背中に向けて下ろす仕草を前田日明リングス総帥が再現して]「おえ~っ!」って(ウルトラマンの中に入っている人が)吐いたんですよ。
- 山田
- ハハ、やっぱ暑くて(気分がわるくなって吐いたんだろう)。
- 氷川
- 暑くて、(身体が)やられたんですね。
- 女子アナ
- フフフ。
- 前田
- いやぁ、大変ですよねぇ。いやぁ、ショックだったんですけどね。うわ~、ウルトラマンがゲ●吐いた~。
- 氷川
- ハハハハ。
- 山田
- ウルトラマンがえづいてる~(苦笑)!
- 前田
- オレのウルトラマンが~!(笑)
- 山田
- ハハハハハハ。
- 前田
- チキショー!
- 女子アナ
- それをご覧になられたのが、(前田日明リングス総帥が)高校生の頃(ですね)。
- 前田
- 高校(生)の時ですね。ちょっとショックだったですね、高校生の前田日明も(笑)。
進化するウルトラマンの格闘シーン
- 女子アナ
- テレビ作品として例えば、ウルトラマン対バルタン星人ですとか、それこそ最終回のウルトラマン対ゼットンですとか、これは見応えあるバトルだったな、という作品、何かご記憶あります?
- 前田
- 当時、だからね、ボチボチなんかねぇ、えっと、んー、やれ空手だ、キックボクシングだっていうのが、なんか映像とか写真とかで、なんか観れるようになった一方で、でもあのう、そういう(空手やキックボクシングの)動きが、なんかウルトラマンの中で回を追う毎に、こう(=段々と)(ウルトラマンの中に入っていた)古谷さん(=古谷敏さん)が、(空手やキックボクシングの動きを取り入れるのに)努力されてると思うんですけど、なんか…。
- 山田
- なるほど~!
- 前田
- すごいなんか、アクション的だったですよね、段々ね。最初こうやってやって(=両手のグーパンチでひたすら振り回す動き)、でこうやって投げるだけやったのにぃ、(次第にウルトラマンは)パーンと飛び蹴りをやったりだとかー。
- 山田
- はい、はい。
- 前田
- (ウルトラマンは)いろいろ(な技を)やってましたよね。
- 山田
- そうだ、あれ、当時キックボクシングブームが沢村(=沢村忠選手。”キックの鬼”の異名を持つ)とかがあの頃で、新しい動きがー。
- 前田
- やってましたね。
- 山田
- (新しい技が)増えてきますよね、確かに途中から。
- 女子アナ
- へ~、あ~、なるほど~。じゃ、ウルトラマン、回を重ねる毎に、ウルトラマンのそのファイトスタイルが、段々リアルな手が入っているな、というようなことですか。
- 前田
- 最初はこうおっきな動き(=右手を大きく上から振りかぶっての、脳天唐竹割りチョップ)で、怪獣とかのあるのを見せるために、それが段々(技に)スピードとかも出てきたりとか、なんかこうハイキックやったりとか…。
- 山田
- 足技とか結構(やってた)。
- 女子アナ
- あ~。
- 前田
- (足技とか)やってましたね。
- 山田
- そうだ、最初は力道山スタイルだもんね(と言って逆水平チョップの仕草をする)。
- 女子アナ
- あ、力道山スタイル!
- 前田
- こんなんですよ(と言って前田日明リングス総帥も逆水平チョップの仕草をする)。
- 女子アナ
- はい、力道山スタイルという、今、山田さんの…。
- 山田
- (力道山スタイル)からもう、段々キックボクシングとか空手が、要するに入りましたよね、打撃系(の技)が。
- 前田
- (ウンウンと頷く)。
- 女子アナ
- ああ、打撃系(の技が入りましたか)、なるほど。
- 前田
- いや、でもね、それ、それ、それ(=打撃系の技)が入ってきてぇ、ってことは、なおかつ(格闘シーンの)動きが激しくなってくるじゃないですか。
- あんな(動きづらい)抵抗のあるスーツ(=ウルトラマンのコスチューム)で、ビタっと(全身が)覆われて、で呼吸できるのは、この(口の)一筋のこの線のとこで呼吸する。
- で、視界は、このちょっとしたこの辺(=眼)のところで見るっていうね、状況で。
- で、こう、下(=足元)は、凸凹じゃないですか。変な(足場の)ところに(怪獣を)投げちゃったら、まあいくらこう(コスチュームや着ぐるみを)着けてるとはいえ、ねぇ、毎週、毎週撮らなきゃいけないのに、怪我しちゃったとかだったら、(番組としてのウルトラマンが)終わっちゃうじゃないですか。
- だから当時のぉ、(制作)スタッフはなんか、たぶんもう、怪我しても何しても、もうとにかく(撮影を)やんなきゃいけないっていうかねぇ。結局(制作スタッフは)いろんな使命感を持って、(撮影を)やったんだなって思いますけどね。
- 女子アナ
- あぁ。
- 山田
- だからこれ言うとね、言うとまた、そのぅ、「おっさんは古いこと言う」みたいな、精神論って言われるけど、それ(=足元が凸凹だろうが、なんだろうが、身体を張って格闘シーンを演じていること)だからこそ(画面に)出る緊張感というか、ありますよね。
- 女子アナ
- あぁ。
- 山田
- (CG・3Dのない時代に)人力でやって、いっぱいいっぱいでやってるからこその、何とも言えないこの緊張感が。
- 氷川
- 当時ね、火薬とか全部CGじゃなくて、全部ホントに目の前で火が出てるんで。
- 女子アナ
- ああ、そうですよね~、は~い。
以上、前田日明リングス総帥の出演していた約1時間のうち、筆者が気になった部分を抽出してみた。
純真無垢な前田日明少年と気の利いたおじさん
実は他にも前田日明リングス総帥は、ニコニコ生放送の冒頭で、前田日明ファンなら既知のネタ、「古代怪獣ゴモラの大阪城破壊」についても語っていた。
ご存じない方のために、このファン既知のネタを説明すると…。
ウルトラマンが大好きな、当時小学2年生の前田日明少年は、ウルトラマンの放送を観る度に「東京は、毎週怪獣が現れて、えらいこっちゃ! 大阪に住んでいて良かった」と思っていた。
ところが、『ウルトラマン』でついに地元・大阪にも古代怪獣ゴモラが出現、大阪城を粉々に破壊してしまう。
結果的には、ウルトラマンがいつものようにゴモラを退治するのだが、前田日明少年は、破壊された大阪城が気になり、放映日翌日に大阪城に行ってみた。
するとどうだろう、大阪城は破壊されておらず、これまでどおり。
まあ、当たり前といっちゃあ、当たり前ではあるが。
当時、不思議に思った前田日明少年は、その辺にいたおじさんに訊いてみた。
おじさん曰く「大勢の大人が、徹夜で大阪城を直したんや!」
だから大阪城が直ってて、壊れていないのか~、と前田日明少年は納得した次第。
純真無垢な少年と、気の利いた返答をしたおじさんの、何とも良い話だ。
ウルトラマン1つで、こうした微笑ましい話や、デパートの屋上で目撃したエグい話など、様々な観点で語れるのが面白い。
放送中、氷川さんも言っていたが、ウルトラマンは、喜怒哀楽やジョークもすべてが詰まったテレビ番組だ。いろいろ考えさせてくれたり、記憶に留めさせてくれたりで、子供の成長には有意義な作品と言えよう。
ご興味ある方には、ウルトラマン Blu-ray BOX Iでの鑑賞をお勧めする。
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