マット界における専門誌の減少と団体の宣伝・広報活動

昨年の『週刊ファイト』の休刊、そして先月の『週刊ゴング』の休刊は、現在のマット界の冷え切った状況を映し出していた。これによりプロレスを報じる週刊専門誌は、『週刊プロレス』くらいになってしまった。マット界における宣伝・広報活動に多かれ少なかれ影響があると思われる。そんな専門マスコミの減少に対し、各プロレス・格闘技団体はいかなる手を打てば良いだろうか?

マット界における専門誌(『週刊ファイト』、『週刊ゴング』)の休刊

昨年の『週刊ファイト』の休刊は正直驚いた。何となく噂は耳にしていたが、どうせデマだろう、ガセだろうと自分はタカを括っていた。しかし現実は周知のとおり本当に『週刊ファイト』が休刊。え~、『週刊ファイト』は『マット界舞台裏』(現:ミルホンネット『週刊マット界舞台裏』)があって面白くて読みごたえがあるのになんで休刊なんだ、と悔しがった。

その後『週刊ゴング』も休刊。一部のプロレス・格闘技ファンの間では、「面白い専門誌(紙)からなくなっていくよ」という言い方もされたりした。

こうした週刊の専門マスコミの減少は、プロレス・格闘技団体にとってはたまったもんじゃないだろう。特に地上波TV局の付かぬプロレス団体は、メディアへの露出といえば、かなり専門誌に依存している部分が多いだろうから、相次ぐ週刊専門誌の休刊はかなり痛かったに違いない。

だが痛がってるだけでは団体の宣伝・広報活動の促進は解決しない。こんな状況の中、解決策を打ち出した(と思われる)団体が現れた。

良い意味でファン頼み! 無我ワールドの宣伝・広報戦略

その団体とは、無我ワールド・プロレスリング(以下文中表記は無我ワールド)だ。通常、メジャー団体の興行では「デジカメでの撮影は禁止」で、「フィルムカメラでの撮影は可」ということが多い。しかし無我ワールドの興行ではどうもそれがないように思える。実際はメジャー団体同様なのかもしれないが、とりあえず堅いことは抜きにして、ということなのか。

先日4/11(水)の無我ワールド・後楽園ホール興行では、携帯カメラやデジカメでビシバシ撮りまくるファンが多数いた。また無我ワールド側も全試合終了後、選手全員をリング上に集結させ、リング四方の観客に対しシャッター・チャンスを与えてくれるなど、至れり尽くせりだった。こうした“撮影解禁”は、ファンのブログを通じて、団体・選手の宣伝・広報活動となってゆく。

後藤達俊ブログから垣間見える無我ワールドの宣伝・広報戦略

しかし無我ワールドは、決してファン頼みだけの宣伝・広報活動ではなかった。選手らも自ら率先して無我ワールドの宣伝・広報活動をしていたのだ。それが後藤達俊選手のブログ『Mr.バックドロップ 後藤達俊』(http://ameblo.jp/mr-bd/)であり、藤波辰爾夫人・藤波伽織さんのブログ『キッチンは伽織に訊け!』(http://kaori.muga-world.com/)だ。

どちらのブログも始めたのが今月4/2からで、どう考えても偶然とは思えない。一緒に始めますか、という感じだ。ひょっとしたら社是でやるようになったのではないかと思われる。

とりわけ後藤達俊選手のブログは、ブロガーの鑑と言っていいくらい毎日更新されている。それも1日1回ではない。ほぼ1日平均3回以上の更新なのだ! 4/13における後藤達俊選手のブログを見てみると、最初が14:44:44、2回目が16:59:57、3回目が19:55:03、4回目が23:12:33、5回目が23:23:07。4回目と5回目の空きタイムはわずか11分弱だ! これは凄いとしか言いようがない。

ブログの内容はプロレスのことばかりではないが、後藤達俊選手の人となりが見えてきて、十分、無我ワールドの宣伝・広報活動に直結していると思う。

著作権・肖像権<宣伝・広報!?

以上書いた無我ワールドの“撮影解禁”と、選手らのブログといった戦略は、えらい元手がかかるわけではないのでやって損はない。宣伝・広報活動が足らないな、というプロレス・格闘技団体は是非無我ワールドを真似すべきだと思う。

但し厳密な線引きをすれば“撮影解禁”は著作権・肖像権に抵触してくる。しかしここは人気商売だから大目に見て、ファンが撮影することで宣伝・広報活動が促進されてくる、と解釈した方が良いかと思う。

『マット界をキャプチュード!』編集部註
後藤達俊選手のブログ『Mr.バックドロップ 後藤達俊』は、やはりプロレスを表現してるなとあらためて思った。それというのも、いろんな話題で散りばめられてるにもかかわらず、テーマがどれもこれも全て「ブログ」。ストロングスタイル、アメリカンスタイル、UWFスタイル、等々いろんなスタイルがあれど全部プロレス。それと同じように思えたからだ。何を書こうが全部テーマは「ブログ」。でもそれで全然良いのだ。

【参照サイト】

  • 『格闘技総合サイト casTY格闘技ナビ』()