ハイ・ビターなルチャ”だった「第4回ふく面ワールドリーグ戦」

4年に一度開催されるみちのくプロレス主催「第4回ふく面ワールドリーグ戦」。今回、新日本プロレスからは獣神サンダー・ライガー、エル・サムライ、タイガーマスクが参戦した。ライガー以外は事実上シードと言っても過言ではない対戦相手で、メジャー・新日本プロレスに有利な感があったのは否めない。そんなカードもあった1回戦だったが、全体的にはより強さと勝負への拘りが感じられ、“ハイ・ビターなルチャ”だった。

ふく面同士であるがゆえの感情噴出!

ふく面は当然ながら正体を隠すためにかぶるもの。ふく面をかぶることで己の素性や表情が悟られなくなるのだ。

しかし今回の「第4回ふく面ワールドリーグ戦」。隠すどころかしっかり外に伝わってきた。もちろん正体のことではない。表情や感情だ。ふく面レスラー同士の試合だからこそ、お互いに譲れぬふく面レスラーとしての意地があり、通常のレスラーとはまた異なった感情の激突や、勝ち抜いて1回戦を突破したいという勝負への執念がかなり噴出したように思えた。

“掟破り”を繰り出したビリーケン・キッドの執念

具体的な試合でいうと、「獣神サンダー・ライガーVSビリーケン・キッド」。体格で勝るライガーを相手に総合系選手のようなシェイプアップされた身体でビリーケン・キッドは挑んだ。“掟破り”のライガーボムを敢行してまで勝ちたいというビリーケン・キッドの執念。ビリーケン・キッドの出す技の一挙手一投足に必ず感情が纏わり、怒り、優越感、技を返された無念さ、敗北感が現出していたのだった。

ふく面だからこそ素の感情が出る

なぜこんなにも感情が伝わってくるのだろう。ふく面だから表情や感情が表に出にくいと考えるのは実は嘘で、むしろふく面をかぶっているからこそ、ふく面レスラーたちは遠慮なく素の表情、感情が出せ、それがふく面越しに観る者へ伝達されていったのではあるまいか。

ふく面とは仮面である。仮面はその名の通り「仮の面(ツラ)」と書く。しかし「第4回ふく面ワールドリーグ戦」においては「実の面(ツラ)」も表現していたとも言えよう。

“骨太のルチャ”だったウルティモ・ドラゴンVSサスケ

また今回会場で観て感じたのは、これまでのルチャルチャした戦いとは趣きを変えた試合が存在してたことだ。

その試合は「ウルティモ・ドラゴンVSサスケ」なのだが、サスケがボクシング・スタイルでウルティモ・ドラゴンを翻弄するシーンが所々あった。スタンディングでパンチを繰り出し、グラウンドでは総合格闘技ばりのマウントからのパウンド攻撃。ナックルをウルティモ・ドラゴンの左右の二の腕に打ち分けて叩き込んでいた。一言でこの試合を言うなら“骨太のルチャ”だった。

ルチャ系も強さへのベクトルを追求すべきか!?

こうしたルチャも私は善しとみている。サスケがマウントをとってどうこうということより、強さへのベクトルをより意識し、追求してるところを評価したいのだ。従来の一般的なルチャ系のイメージは、「飛んだり跳ねたりするプロレス」、「明るい子供ウケするプロレス」があると思う。それはそれで全然間違いではないし、実際菊タローやメカマミーの試合が自分は大好きだ。

だが、これまでの試合スタイルとは別に、本来プロレスが持つ、あるいは提示できる強さへのベクトル、勝負に拘る執念にチャレンジしてるようなところが、今後幅が広がって良いと自分は感じた。こうしてみるとルチャ系も、強さへのベクトルを追求するのは決してマイナスにはならず、プラスに作用すると思った次第だ。