UFC-PRIDE陣営は磐石なのか?

昨日3/27、六本木ヒルズアリーナにおいてUFC、PRIDE双方による「同盟」締結の記者会見が行われた。「同盟」とは言いつつも、実際はUFCによるPRIDE吸収であるのは周知のとおり。日米マット界を股にかけた壮大な「同盟」は、はたして磐石なのだろうか?

日本の総合マット界における「販売代理店」がない!?

契約選手は根こそぎ他団体から引き抜き、世界最高峰と言われる戦いを実現させてきたPRIDE。そして「何でもあり」から競技へと昇華させ、今では米国内でのPPV契約数が100万世帯にものぼるようになったUFC。この日米総合マット界の雄が互いに「同盟」を組んだともなれば、話題に上らぬわけがない。年商1,500億円とも言われる資金力を背景に総合マット界の統一を図るべく興された新会社は、「PRIDE FC ワールド ワイド」と名づけられた。こうした状況を見れば、他の追随を許さぬ布陣だ。だが、それでも弱点は存在したのだ。

UFCは確かにPRIDEという良質なソフトを手に入れはした。しかしこのPRIDEは、日本の総合マット界においては地上波テレビ局という名の「販売代理店」を持っていないのだ。これは致命的だ。日本は米国ほどPPVが発展していない。その上テレビはタダで観るもの、という固定観念がある。いくら良質なソフトであってもメディアに乗せられなければ、放映収益は入ってこない。地上波テレビ局がつかぬ限り、しばらくは米国開催の黒字分を日本開催の赤字分に補填する形になると思われる。

FEG盟主「世界連合」の「UFC-PRIDE包囲網」

これ以外にもUFC-PRIDE陣営には不安要素が存在する。それは時をほぼ同じくして、3/28ロサンゼルスにおけるFEGの「Dynamite!! USA」記者会見だ。FEG谷川貞治氏の言葉によれば「(提携団体の)ProElite(プロエリート)以外にもbodog(ボードッグ)、ストライクホース、ケージレイジ、スプリットMC、といった世界中の格闘技イベントのプロモーターの協力も得ることになった」とのこと。このFEG盟主の「世界連合」が、UFC-PRIDE同盟を包囲する形となった。

ソフトを巧く使いこなすしかない

以上のようにUFC-PRIDE陣営は、日本の総合マット界では収益を上げられる構造ではない。また米国の総合マット界では今後包囲網を敷かれるようになる。そうなると頼みの綱は、選手、スタッフというソフトの面だけだ。とりわけ選手を巧く使えば、それなりには突っ走れるだろう。しかし大物選手ばかりだからと安心して杜撰なマッチメイクをしたり、あるいはマンネリズムに陥ったり、さらには選手発掘を怠たると、磐石だとは言えなくなるだろう。