PRIDE化と対”ヒクソン族”の両天秤は可能なのか!? ~HERO”S~

9.17横浜アリーナにおいて12,310人(主催者発表)の観客を集め熱狂させたHERO”S。「PRIDE化第1弾」でもあったわけだが、今後そのPRIDE化は順調に達成されてゆくのかが見ものだ。今回は現地観戦したいつもの3人組のうちの一人が、TV観戦で済ませた他のメンバーのうちの一人とトーキング・プロレスを展開する。

宮田VSハービー・ハラ、ハリトーノフVSアリスターの超短い感想

A:
いきなり本題に入るぞ! 宮田VSハービー・ハラなんだけどさあ、ハービー・ハラってイギリスのおまわりさんじゃん。
B:
おまわりさん(微笑)。警官とかコップって言えよ!
A:
(無視して)なのにさあ、入墨してんだよな。"逮捕"してやるみたいなこと言ってたけど、むしろどう見てもおまえの方が“逮捕”される風貌だぞって。
B:
そんなこと言いたかったのかよ。
A:
あとさあ、ハリトーノフVSアリスター・オーフレイム。この試合ってTVではカットされてたんだろ? オレまだTVの観てないんだけど。
B:
そうそう。楽しみにしてたのに。あれなんでカットしたんだろう。
A:
どっちもリングス系じゃん。そんなことが影響してるんじゃないかなと勝手にオレは思ってる。実際は知らないよ、どんな理由か。
B:
いつもの得意技の推測かよ。まあ、PRIDE化第1弾の興行なんだから、この試合はカットしちゃいけないよな。とりあえずYouTubeで観ますよ、オイラは。

クラシカルな(!?)ヒクソン柔術は最強・最高峰の戦いでは通用しない!?

A:
今回も前回と同じだなと思ったことがあってさ。
B:
それって何だよ?
A:
前回7.16のHERO’Sでは柴田がハレック・グレイシーと戦ったじゃん。
B:
ああ、戦ったね。
A:
あの試合と同じような格闘スタイルの選手が今回ミノワマンと戦ってたんだよね。
B:
ケビン・ケーシーね。
A:
現在の総合は進化を重ねて打撃の攻防ができなければ、まずその時点でパンチ、キックの猛攻を受けて沈むじゃん。
B:
ところがどっこい、ケビン・ケーシーや前回のハレック・グレイシーはクラシカルな格闘スタイルに見えて仕方がない、って言いたいんだろ?
A:
おお、よくわかったね~。その通り! いきなり前蹴りで牽制して、間合いを測るなんていつの時代だよ、って思ったね。総合の速い時流についていってないんじゃないかと思ったよ。それにヒクソンが柔術を教えるとあそこまできっちり似ちゃうのかと。
B:
オレもそれは感じてた。あの格闘スタイルを観たら、最強・最高峰の戦いといわれたPRIDEのリングでは通用しなかった気がするよね。
A:
でしょ? 今回のHERO’SはPRIDE化して、最強・最高峰の戦いを目指す第一歩のはずなのにさあ。

PRIDE化と対“ヒクソン族”の両天秤は難しい!?

B:
それに9/18発売の東京スポーツ(9.19 第15430号)1面では「前田UWF軍 団体戦7対7 ヒクソン族」って見出しが躍ってたじゃん。「ヒクソン族」っていう表記には面食らったけどさ(笑)。カクトウログさん(前田UWF軍×グレイシー対抗戦)が取り上げてて、それ見て知ったんだけどね。
A:
ああ、オレも見た、見た。オレ個人としては興味あるし、興行を成立させるためには理に適ってるとオレも思う。しか~し!
B:
しかし何だ?
A:
オレもカクトウログさんと同じ意見で楽しみなんだけど、若いファンや、HERO’SのPRIDE化をもっとラジカルに進めてほしいと切望しているファンにとっては、「今さらUWF? ヒクソン?」ってなると思うんだよな。
B:
つまり整理してみると、こういうことなのかな。
  1. 谷川貞治プロデューサーの推進しようとする「前田UWF軍 団体戦7対7 ヒクソン族」は我々世代にとっては興味ある
  2. しかしそれはHERO’Sが目指すPRIDE化の対極に位置するものではなかろうか
    a.ヒクソン系の格闘スタイルは流れの速い現代の総合テクに追いついておらず、最強・最高峰のコンセプトにのっかっていないのでは?
    b.UWFは懐古的で、前田日明船木誠勝・鈴木みのる・田村潔司・桜庭和志の名前をいまだに前面に押し出して興行を盛り立てるのはいかがなものか
A:
おお、うまくまとめるね~! 従来どおりモンスター&イロモノ路線ならば、最強や最高峰を放棄してるから、話題性重視の興行でいいわけじゃん。前述の「前田UWF軍 団体戦7対7 ヒクソン族」はモンスター&イロモノ路線ではないけど、話題性重視の方向性ではあるかなと。でもこれって明らかにHERO’Sの今後のビジョンにブレが生じるような気がするんだよね。やっぱしPRIDE化と「前田UWF軍 団体戦7対7 ヒクソン族」は両立しないように思うんだよね、オレは。
B:
最強・最高峰の戦いを展開して、その中にヒクソンやUWF勢が絡んでゆくのは現実問題として、厳しいと思うよ。そうなると、ヒクソン、UWF勢のみを抽出して、それだけのマッチメイクにして団体戦なり対抗戦なりにする方がある意味ぼかせるというか。
A:
確かに最強・最高峰の戦いの中に全盛期を過ぎたヒクソンやUWF勢を放り込むのは酷かもしれないね。
B:
あとさあ、「前田UWF軍 団体戦7対7 ヒクソン族」が実現した場合、前田日明の第2次リングスはどうなるの? リングスとその団体戦の両方で前田日明は忙しくなって、どっちつかずになっちゃうんじゃない?
A:
う~ん、いろいろクリアすべき点もあるかもしれないね。ここで自分なりにPRIDE化を定義してみると、以下のようになるんじゃないかと。
  1. 最強を決める最高峰のリングにすること
  2. PRIDEを観続けて来たファン、PRIDEしか観なかったファンを惹きつけること
B:
今その定義を聞いて思ったんだけど、マーケティング的には我々世代より、まず若いPRIDEファンにとってわかりやすく満足できる興行にすべきなのかもしれないね。
A:
数の論理からすると若いPRIDEファンがターゲットだよ! そのためにはヒクソン、UWF勢でなく最強・最高峰が優先だろう。オレらも年取ったね(苦笑)。
B:
結論としては、PRIDE化と対ヒクソン族の両天秤は難しい。そういうことでいいよね?
A:
もうヒクソン族ヒクソン族って言うなあ!(苦笑)

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