魅了しない総合格闘技はタダのガチンコでしかない!

かつてのリングスは、様々な格闘技の猛者たちが集うリングだった。あの格闘技とこの格闘技が闘ったら、どっちが勝つのか? このようなワクワク感を得るには、リングスが出てくるまでは、猪木の異種格闘技戦を観るか、あるいは自分の頭の中で妄想するかしかなかった。総合格闘技は、そうした男のロマンを刺激する様々な戦いの場であるのが本来の姿。しかし現在の総合格闘技はというと、本来の異種格闘技的要素が希薄になっているようだ。

異種格闘技でなく同種格闘技!?

最近の総合格闘技の試合は一頃に比べ、均一化してるように感じる。皆同じような闘い方をしてるのだ。勝利への最短距離を狙って、皆が最新の技術や流行の技術に走るのはわからぬでもない。でも観客は金を出して観てるのだから、要求水準が高いのだ。本来異種格闘技的な戦いの総合格闘技を期待してるのに、同種格闘技(!?)的な戦いの総合格闘技を見せつけられちゃうと、それも何試合もだと、ウンザリしちゃうのだ。

もっとプロレス技が出たっていいはず!

アマチュアでやっていくなら別に同種格闘技(!?)的な戦いでも構わない。でもプロなら魅了してくれないと困る。というか選手の方も人気面で困ると思う。そうなるとやはり創意工夫をして、いかに個性を表現するか。あるいは己の得意技やバックボーンをいかにしっかり押し出すか。欲を言えば、総合の試合でもっとプロレス技が出たっていいはずだ。

これから言うことは、観る側の発想なんで、実際選手の側からすれば、「なに素人がアホなこと言ってんだ!」と思うかもしれない。しかしひょっとしたら実戦でも使えるかもしれないと思い、練習で試したり実験したりというきっかけになったらいいかなと。

例えば、タックルされたらセオリー通りに普通に切るんじゃなくて、フェイスバスターかパイルドライバーを仕掛ける。以前美濃輪育久選手が試合でタックルされた時、パワーボムにチャレンジしたが、あの要領だ。

また空手をやってた選手だったら、相手のパンチが来たら自分のパンチを相手の拳にヒットさせる。空手家の拳は強いので、ダメージを受けるのは相手の方。たったこれだけのことでも試合で使えるようになったら、もう同種格闘技(!?)的な総合格闘技にはならない。異種格闘技の総合格闘技だ。

オリジナルの技で勝て!

桜庭選手がホイス・グレイシーとの試合でモンゴリアン・チョップを繰り出したり、実戦ではないが「炎のコマ」や「恥ずかし固め」を披露したことがあった。総合の試合でああいったプロレス技を駆使したり、創作技を開発したりなどドンドンすべきだ。そうすればオリジナルの技として認知され、その使い手の選手も人気が鰻上りになるだろう。当然世界にも広まるはずだ。それに新技だから対策が確立されてないし、相手の意表もつける。良いことづくめではないか。オリジナル技で勝てば、どこの総合格闘技団体からも引っ張りだこになること間違いない。

魅了する総合格闘技が生き残る時代に

そもそもなぜこんなことを言うのかというと、今後総合マット界は、ますます大衆化してゆくものと考えられるからだ。つまり総合格闘技のメジャー・スポーツ化が進み、マニアだけが観るものではなくなってくる。こうした状況において従来のマニアックな試合だと時代に逆行することになるし、淘汰される恐れも出てくる。魅了しない総合格闘技はタダのガチンコでしかないということだ。そうならないためには、創作オリジナル技が必要なのだ。そうすれば観客をより魅了することができ、総合マット界全体も潤うということにも繋がってくるかと思う。