国内総合マット界の統一を目指すFEG・HERO”S

田村潔司の電撃参戦で注目を集めた7.16横浜アリーナHERO”S。PRIDEを背負うと宣言した田村は、メインにもかかわらずいいところなく惜敗。実現目前の秋山戦から一歩後退した形となった。試合以外では船木誠勝の現役復帰が発表され、これがビッグサプライズに! 日本の総合マット界は新たな局面を迎えつつある。今回はTV観戦となった“謎の3人組”の一人のBに横浜アリーナで感じたことを伝えてみた。

adidas 対 puma !?

A:
今回のHERO’S横浜アリーナ大会は試合結果こそ日本人選手は、ほぼ壊滅状態だったけど、興行としては悪くはなかったかな。
B:
TVで観戦したけど、外国人ファイターはやっぱ強えなあ。アンドレ・ジダなんて強すぎだよ!
A:
ああ、アンドレ・ジダは強かったね~! コマンド・サンボ王者のアルトゥール・ウマハノフが何もできなかったからね。ウマハノフは片膝ついた戦闘ポーズがヴォルク・ハンみたいに様になってるな、と思って観てたら、あれよあれよとジダのアッパーの集中砲火を浴びてやられちゃったもんな。
B:
ウマハノフに懐かしい“リングスの香り”を感じただけに、あのワンサイド負けはショックだったよ。でもジダが凄すぎるんだな。
A:
ジダの名前の由来って、『adidas』のシューズからなんだよな。母親に『adidas』のシューズを買ってもらったのが嬉しくて、それを毎日履いてたら、『adidas』の「a」と「s」の字が消えて「dida」になり、それからジダって呼ばれるようになったって。
B:
ああ、観た、観た。
A:
そいでさ、対戦相手のウマハノフの名前の由来なんだけどさあ。『puma』のシューズからなんだよ。母親に『puma』のシューズを買ってもらったのが嬉しくて、それを毎日履いてたら、『puma』の「p」の字が消えて「uma」になり、それからウマって呼ばれるようになって、それが転じてウマハノフになったらしいよ。だからアンドレ・ジダVSアルトゥール・ウマハノフは「adidas 対 puma」なんだよ!
B:
そんなわけねえだろ(笑)。即興でインチキ・エピソード作るなよ! ウマハノフが幼少の頃に「uma」なんて呼ばれてねえよ!
A:
あ、やっぱバレたか(苦笑)。
B:
何が「転じて」だよ(笑)。

独自の総合格闘技ワールド、HERO’S

A:
やっぱHERO’Sって独自の総合格闘技ワールドを築いちゃってるね。かつてのリングスとは客層も雰囲気も全然異なるもんね。もちろんPRIDE(プライド)とも異なるし。
B:
ブラウン管から観ててもそれは感じたね。選手が出てくるところの「HERO’S」って文字のセット。ラスベガスのネオンサインみたいだもんな。これこそが娯楽の殿堂だ、みたいな。悪く言うと田舎の大きなパチンコ店にも見えるんだけど(苦笑)。
A:
なんだそりゃ(笑)。でもそれくらいカラフルでゴージャスなセットにして、これまで格闘技が持っていたストイックさやマニアックな面を払拭しようということだよね。
B:
HERO’Sって旗揚げ当初から「新しい総合」を提示してきたわけじゃん。キミたち、”劇画”ばかり読むのもいいけど、これからは”マンガ”もしっかり読みなさいっていうか。
A:
今回のHERO’Sはその「新しい総合」をさらに推し進めるための準備段階にオレは思った。メインの「田村潔司VS金泰泳」は、従来の総合のブランドを確実に壊して、独自の世界観を確固たるものにする作業だったんだよ。

田村敗北=FEGの国内総合マット界統一宣言

B:
あれほどU、U、U、U言ってた田村にPRIDE(プライド)を背負わせて、金ちゃんに「PRIDE(プライド)退治」させた形になったからね。煽りVでも「K-1 VS PRIDE(プライド)」と大きくやってたし。
A:
その煽りVだけど、田村がかつてリングス無差別級王者だったこともしっかり盛り込んでたじゃん。あれはオレとしては複雑な心持ちだったね。リングスという偉大な大河があったからこそ現在の総合マット界がある。そのリングスを最近のファンやお茶の間に多少なりともまた伝えることができたこと。これはメリットだね。でもデメリットがあって。今回田村が負けたでしょ。リングス無差別級王者だった田村。Uに拘り続けた田村。PRIDE(プライド)を背負った田村。その田村がかつてのK-1で活躍した金ちゃんに負けた。つまりリングス、PRIDE(プライド)は過去に葬り去られたんだよ。オレ個人としてはPRIDE(プライド)は葬り去られても特別な感情はないけど、リングスはねぇ。そしてこれによって結果的に、FEGは大号令をかけたんだよ。今後FEGが国内の総合マット界を統一すると。
B:
「K-1 VS PRIDE(プライド)」ってじゃあ、FEGからすれば計算どおりで、田村が負ける公算が高いと踏んだからこそ打ち出したコピーなのかもしれないね。
A:
たぶんそうじゃないかな。
B:
じゃあさあ、田村はFEGからすれば「飛んで火にいる夏の虫」状態だったかもしれないわけだ。
A:
そこまではっきり断言はできないけど、田村はちょっと迂闊だったかもしれないね。
B:
しかしK-1というかFEGの国内総合一人勝ちの状況ってどうなんだろう。これもまた複雑な心境だな。前田日明がいるから、このまま日本の総合マット界を突っ走ってもらいたいんだけど、そうするとますます第2次リングスがうやむやになりそうな気もするし。
A:
同感。前田日明が「HERO’Sで満足」というならそれはそれでいいけど。何ともいえないな~。
B:
とりあえず今回はこんなところで。
A:
あららら…。