TPPは、日本の国民皆保険制度を壊滅させる!~前田日明ゼミ in 西宮(第2回)備忘録

前田日明ゼミ in 西宮(第2回)21世紀の領土問題 ~中東ウクライナ情勢のいま~ プログラム ゲスト:孫崎享氏

参加申込み人数が増えたことで、今回から開催会場を西宮市民会館に移した『前田日明ゼミ in 西宮』(第2回)。元外務省官僚で『戦後史の正体』を書かれた外交評論家の孫崎享氏を論客に迎え、TPPや安倍政権、また世界情勢等について前田日明リングス総帥が”言論のキャプチュード”を繰り出す!

前田日明ゼミ in 西宮(第2回)21世紀の領土問題 ~中東ウクライナ情勢のいま~ プログラム

■ 日時:
2015年4月11日  14:0016:30
■ 会場:
西宮市民会館(中会議室401)
■ 主催:
鹿砦社
■ 協賛:
株式会社リングス

『前田日明ゼミ in 西宮』 タイムテーブル

  1. 13:30 開場
  2. 14:00 開演 鹿砦社代表・松岡利康氏の挨拶
  3. 14:05 1部 孫崎享氏講演・前田日明リングス総帥講演
  4. 15:05 休憩(10分)
  5. 15:15 2部 対談
  6. 16:15 2部 質疑応答
  7. 16:30 終了
前田日明ゼミ in 西宮(第2回)会場 西宮市民会館(中会議室401)
前田日明ゼミ in 西宮(第2回)会場
西宮市民会館(中会議室401)
前田日明ゼミ in 西宮(第2回)会場 西宮市民会館(中会議室401)開演前の様子
前田日明ゼミ in 西宮(第2回)会場
西宮市民会館(中会議室401)開演前の様子

TPPの中核・ISD条項が国家主権をなくす!

前回の前田日明ゼミ同様、鹿砦社代表・松岡利康氏の挨拶からスタート。

その後に今回の論客・孫崎享氏がマイクをとり、次に前田日明リングス総帥がマイクをとるという流れ。

福島の原発問題や集団的自衛権、情報統制、等々、様々な問題が前田日明リングス総帥と孫崎享氏から語られたが、やはり私が気になったのはTPP。

前田日明リングス総帥も孫崎享氏もしっかりTPPについて触れていた。

「TPPを皆さんは農業問題だと思ってるけど、それは部分的なこと。1番の大切な根幹は、TPPが日本の国家主権をなくすということなんです」

「ISD条項とは、米国企業が日本で投資する経済活動において、日本の法律や裁判所の判例とか行政の指導でもって、米国企業の利益が得られなくなるようなことがあった場合は、巨額の賠償金を米国企業は日本政府から得られるという制度なんです」
(孫崎氏)

前田日明リングス総帥も「TPPは実際エゲツない話」と前置きし、やはりTPPの中核を成すISD条項に触れた。

「TPPは、国際的な大企業が、国から損害賠償をとっていくというISD条項で金を巻き上げていく。企業が独り勝ちして、疲弊していくのは国だけ」
(前田日明リングス総帥)

このISD条項における裁判ではアメリカ企業の66勝0敗というデータもある
(参照元:http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20140423)。

なぜこんなことになるのか。

それはこんな理由だ。

「この制度(=ISD条項)のもっと酷いことは、裁判官が誰だかわからないんです。裁判官の名簿は公表されていない。それだけじゃなくって、この裁判官と企業側の弁護人になる人間がローテーションしてるんです」

「判断の基準は、企業にマイナス(=不利益)が出たかどうかだけ。ということは実質的に国の主権がなくなっていくんです」
(孫崎氏)

裁判官と企業の弁護人がローテーションで入れ替わるという、実質”グル”連中が運営してる裁判所だとは。

こんな不透明で怪しい裁判が罷り通るんだから、誰が見てもTPPは胡散臭過ぎる。

さらにTPPが1番その怖さを発揮すると言われているのが、保険の分野だ。

「結局は国民皆保険が実質的に破壊します。で皆さんがやらなきゃならんことは1人1人が私的な医療(保険)に入らなければならなくなる」
(孫崎氏)

国民皆保険制度を崩壊させるTPPのシナリオはこれだ!

なぜ国民皆保険制度がTPPに破壊され、国民1人1人が米国保険会社の医療保険に入らなければならなくなるのか?

まず、その理由を語る前に簡単な説明をする。

日本国民なら誰でも医療費の3割を負担すれば、同じ医療を受けられるという国民皆保険制度だが、アメリカ保険業界からみればそれは「参入障壁」となる。

国民皆保険制度があるがために、アメリカの保険会社は日本で盛んに保険を売ることができないのだ。

アメリカでは日本の国民皆保険制度にあたる制度がなく、病気や負傷等で治療にかかった場合は10割負担。

でも10割負担だとキツいから、治療費負担を軽減するために医療保険という商品があるのだ。

要するに、病気や負傷でかかった治療費や薬代を、自分が入った医療保険でまかなうのだ。

そのアメリカと同じことを日本でもやろうとしているのがTPPであり、ゆえに日本の国民皆保険制度はアメリカ保険業界にとって邪魔な存在なのだ。

日本の国民皆保険制度を取っ払うのは内政干渉だと反論しても、TPPを妥結してしまえば、それは意味の無いものとなる。

「TPPに反する国内法は改正せよ!」がTPPなので、これを日本政府が拒んだら、ISD条項によりアメリカの保険会社から提訴され、ほぼ100%日本政府は負けるだろう。

国家主権も国内法もへったくれもない恐ろしい世の中になるのだ。

いきなり国民皆保険制度をなくすのが難しい場合は、徐々に国民皆保険制度を骨抜きにするシナリオも考えられている。

それが「混合診療の拡大」だ。

「混合診療」とは保険の利く保険診療と保険の利かぬ自由診療をいう。

人間ドックや先進医療などは自由診療なのだが、この自由診療の適用範囲をさらに広げることで、国民皆保険制度の健康保険では治療費をまかない切れない状況をあえて作り出そうとしているのだ。

つまり健康保険が利かない範囲を拡大するのだ。

これを自動車保険に例えるとわかりやすい。

大抵のドライバーは自賠責保険と任意保険に入っているハズだ。

というのも自賠責保険だけでは、いざ大きな事故になった際におりる金額が少ないからだ。

なので個人個人が自賠責保険以外に別途、任意保険にも入っていることが多い。

まさにこれと同じことで、国民皆保険制度の健康保険だけでは治療費が払えないから、アメリカの保険会社の医療保険に入れば、大病や大ケガになった時に治療費がおりる、という構造に組み替えようとしているのだ。

この構造だと、交通事故を起こしたドライバーが翌年の保険料が高くなるように、病気や怪我で医療保険を使った人は、翌年の医療保険料が高くなる、という方式を採るようだ。

そうなると、医療保険に入っていても、できるだけ医療保険を使わないよう病院に行かなくなることが考えられる。

実際アメリカでは40%以上の人々が病院に行かず、民間医療等の代替医療を使っているという状況になっている。

まだこれなら良い方だ。

貧困で医療保険にすら入ることができない人は、当然医療費10割負担となり、もはや病院に行くことができない。

また、治療してもらったものの、莫大な治療費が払えず、自己破産してしまった人も多いのがアメリカ社会なのだ。

TPPを妥結すれば、こんなアメリカの状況が日本にもやってくるのは間違いないだろう。