なぜこの時期? ~初代タイガーマスク・佐山サトル「新総合格闘技」構想~

またまた更新日通りに更新できず申し訳ない。前回書くはずだったが、西村の無我電撃離脱・全日本プロレス入団のニュースが飛び込んできたため、1回遅れで初代タイガーマスク佐山サトルの「新総合格闘技」構想について書いてみたい。

初代タイガーマスク・佐山サトルの「新総合格闘技」構想の概要

今月17日、初代タイガーマスク佐山サトルが「修斗、掣圏真陰流とまったく異なる新しい格闘技」創設の構想を明かした。その概要をまとめると以下の通り。

  • まったく新しいもので、神道、仏法も思想に取り込んだ総合格闘技
  • 日本総合格闘技協会、ワールドビクトリーロード、HERO’S、旧PRIDE陣営といった既存団体等との交流の可能性あり
  • 従来のものと異なるリングを使用
  • 運営形態は団体となるのか選手同盟となるのか現時点においては未定
  • 「ファンに夢を与える本当の格闘技を見せてあげたい」

これまでシューティング(現・修斗)、掣圏道(現・掣圏真陰流)を創設してきた佐山サトル。なぜこの時期にまた別の「新総合格闘技」構想を明らかにしたのだろうか。

「新総合格闘技」構想発表の背景

この構想の発表の背景には次のことが考えられよう。
一つは、この会見の2日前にあった日本総合格闘技協会発足の会見。もう一つは、パンクラス10.14ディファ有明大会におけるメイン「近藤有己(パンクラス)VS桜木裕司(掣圏会館)」だ。

まず一つ目からみていこう。
日本総合格闘技協会の発足により、今後総合マット界に新たなうねりが起こることも考えられる。それに便乗するわけではないが、この流れに対応すべく、「新総合格闘技」構想を佐山サトルは発表したのではなかろうか。

二つ目に挙げた「近藤有己VS桜木裕司」戦。
この試合は「パンクラスVS掣圏真陰流」という”流派対決”の側面で見るむきもあった。それゆえに桜木選手が近藤選手に負けたことで、掣圏真陰流の看板に対し、マイナス評価を下した見方も一部ではあったかもしれない。

そうした見方を払拭するために、掣圏真陰流とは異なる新たな”別ブランド”を立ち上げて、総合マット界に打って出る構想を佐山サトルは明らかにしたのではなかろうか。

この「近藤VS桜木」をもってどちらの団体が優位であり、劣るという評価を下すのはナンセンスだ。掣圏真陰流の評価が落ちたとは私は思っていない。むしろ私個人としては、”別ブランド”を立ち上げずに掣圏真陰流のままで既存団体等と活発な交流を展開してほしいと思う。

「新総合格闘技」構想の実現にむけてクリアすべきこと

この先、佐山サトルが掣圏真陰流とは異なる”別ブランド”の「新総合格闘技」を立ち上げるにあたり、いくつかのクリアすべきことが出てくるかと思われる。

まずどのくらいの期間で既存団体等と交流できるようになるのか。従来の掣圏真陰流の選手・道場生はどうなるのか。掣圏真陰流・「新総合格闘技」の平行展開をしてゆくにあたり、その両者間の格差や技術的齟齬が生じやしないか。ざっと挙げただけでもこれらがある。

「まったく新しいもの」を創設することで、これまでの掣圏真陰流の技術体系が過去に葬り去られ、陳腐化するのは、絶対に避けて欲しいと思う。かつてのシューティングでは「ゼネラル・スタイル」と「フリー・スタイル」が共存したが、あの時のようにうまく運営してもらいたいと佐山サトルには願う次第だ。